前回の記事では、新学指導要領をもとに、「読む・書く」をどの程度指導しなければならないかを紹介してきました。今回は具体的に、どのような指導法が考えられるかをまとめます。
どのように段階的に指導していくのか?
文科省テキストLet's TryやWecanやワークシートから考えると、このような感じになります。
3・4年生は外国語活動なので、技能の定着は求めていないとも聞きますが、実際にはきちんとした積み上げがないと厳しいです。
3年生で大文字アルファベットの文字と名称を結びつけるレベルまで、4年生で大文字アルファベットの文字と名称を結びつける&大文字と小文字をマッチングできるレベルまで定着させておかないと、高学年での文字学習が苦しくなってしまうと思います。
文字は高学年になってからでいいんでしょ、という安易な指導の先延ばしは、子供たちにしわ寄せがいってしまいます。
アルファベットソング
ABCの名称を覚えるのに効果的なのは、やはりABCソングでしょう。3年生ぐらいでも多くの子が既に歌えます。しかし、多くの子は歌として歌っているだけなので、名称と文字が一致しているわけではなかったり、発音をしっかりと意識はしていません。
ですので、単に歌うだけではなく、歌に合わせて文字が強調されるデジタル教材やYoutubeの動画などを活用しながら、歌うとよいでしょう。
アルファベットカードを用いた活動例
①アルファベットカード並べ(3年生~6年生)
アルファベットのカード並べです。個人でやる場合と、ペアでやる場合がありますが、最初はペアの方がよいでしょう。
ペアでやる場合は、1組のアルファベットカードを使います。シャッフルされたアルファベットカードを表向きにすべて見えるように置き、Aから順番に交互にカードをとって並べていきます。片方の子が並べているときは、もう片方の子はアルファベットを言うことで教えることができます。
並べ終わった後に、教師がタイムを言いますが、これは競争のためではありません。あくまで、前回の自分たちの記録に挑戦させるためです。競争になってしまうと、どうしても遅い子たちがやる気をなくしてしまうので、前回より早くなったかどうかを評価基準として子供と共有しておくとよいです。
ペアでの活動に慣れたら、個人でやっていってもよいでしょう。
② Not "Z" ゲーム(3~6年)
文字と音をつなげるために、①で並べたアルファベットカードを指さしながら行います。Aから交互にアルファベットを言っていき、Zを言った方が負けというゲームです。1回に1~3個のアルファベットを言うことができます。
子どもたちは盛り上がってやりますが、ゲーム性が高いため、発音が適当になりがちです。机間支援をしながら、発音をチェックしてあげるとよいです。
また、終わるのに差ができるので、「終わったら、今度は逆回りでAを言ったら負けね。」などの指示を最初にしておくとよいでしょう。
③ マッチングゲーム(4~6年生)
大文字と小文字を一致させる活動です。神経衰弱ゲームが有名で子供たちも好きですが、時間がかかり、帯活動としては向いてないので、僕はこんな感じでやりました。
①の活動が終わった後、大文字のアルファベットが並べてある状態でやります。小文字カードを、今度は裏返して積み上げておきます。そのカードをペアで交互にとっていき、大文字カードの上に置きます。これも終わったタイムを計り、前回までの記録よりよくなるように意識させます。
ほかにもアルファベットカードを使った活動は、いろいろなものが考えられると思います。ぜひ、いろいろな活動を試してみてください。
さて次回は、Wecanのワークシートを使った、アルファベットの指導方法について考えます。