E-Lab. 〜小学校英語専科教員のブログ〜

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2019年度から小学校英語専科教員になった先生のブログ。小学校英語やICT教育の実践記事が中心です。

振り返りシートをGoogleスプレッドシートでデジタル化

 2021年度、GIGAスクール構想が多くの小学校でスタートし、一人一台端末が導入されました。それを機に、全国の学校(学級)でICTを活用した実践が試行錯誤されています。そして私自身も「小学校英語」と「ICT」のクロスポイントを探りながら、日々実践を続けています。

 今年度は、本ブログでもTwitterでは説明しきれない実践などを紹介していけたらいいなと考えています。

 この記事では、下の『デジタル振り返りシート』の作り方について詳しく紹介します。

 

 

 

デジタル振り返りシートの教師側の設定

Googleスプレッドシートで振り返りシートの元ファイルを作成する

Google Sheets: Free Online Spreadsheets for Personal Use

まずはGoogleスプレッドシートにアクセスして、子どもに書かせたい振り返りシートを作成します。(作成にはGoogleアカウントが必要です。)

僕の場合は、1枚目のシートに「CanDoリスト」を2枚目のシートに「振り返りシート」を作りました。「CanDoリスト」は色を塗っていき、「振り返りシート」は文章で入力していきます。

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CanDoリスト(1枚目のシート)

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振り返りシート(2枚目のシート)

Google Classroomを使って作成した振り返りシートを配布する

Classroom | Google for Education

作成した振り返りシートは、Google Classroomを使って子ども達に配布をします。

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クラスルームに入ったら、『授業』をクリックします。

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今回は「課題」として配布をします。

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「タイトル」と「内容の詳細」を記入します。

右側の「点数」のところは今回は「採点なし」でよいと思います。

また今回は、提出→返却→提出…を繰り返すので「期限」は「期限なし」でよいです。

 

その後、先ほど作成したスプレッドシートを追加します。

ここでは「Googleドライブ」を選択し、先ほど作ったスプレッドシートを選んでください。

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上の画像のように詳細の下に先ほど作成したスプレッドシートが添付されればOKです。

そのままだと「生徒はファイルを閲覧可」になっているので、「各生徒にコピーを作成」に必ず変更してください。

ここまでできたら、右上の「課題を作成」をクリックして課題を生徒に送りましょう。

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上の画像は、児童用の画面ですが、課題がきちんと配布されたことがわかります。

これで教師側の設定は終わりです。

デジタル振り返りシートの児童側の操作方法

①課題を確認する

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児童の端末側から見た課題の画面です。

右側の「あなたの課題」をクリックすると課題を見ることができます。

 

※ちなみにiPad版だと課題をクリックしただけでは編集できないので、右上の↗からGoogleスプレッドシートアプリで開きなおす必要があるので、少し中止が必要です。
 

②ふりかえりを記入して提出する

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CanDoリスト入力画面

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ふりかえり入力画面

児童は入力が終わったら、Googleスプレッドシートは自動で保存されるので、そのままClassroomに戻って、課題を提出します。

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教師が振り返りシートを見る方法

①振り返りシートを確認する

提出された振り返りシートは教側のGoogle Classroomから確認することができます。

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この画面で見たい児童の振り返りシートをクリックします。

②コメントを書く

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コメントの書き方ですが、スプレッドシートのコメント機能を使って書く、②セルに直接書き込む、③限定公開のコメントに書き込むという3つのやり方がありますが、ここはそれぞれの好みでいいと思います。

③返却する

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コメントを書いたら、あとは「返却」をクリックすることで返却されます。

 

返却されると、児童側でも再度編集することが可能になりますので、これを毎時間繰り返すことで教師側も子どもの学習をみとることができます。

 

デジタル振り返りシートのメリット・デメリットは?

①デジタル振り返りシートのメリット

 なんといっても、振り返りシートの配布・回収の手間がなくなり、授業時間や子どもの休み時間を圧迫することがなくなるということです。それにより、本来の授業に時間を割くことができたり、子どもを待たせたりすることもなくなります。

 

 また、振り返りを書くということ自体には、メタ認知を働かせて自分自身の学習を俯瞰的に見直し、児童の学習調整力を駆動させるよさがありますので、今求められている資質・能力を引き出すためには必須の活動だと思います。

 

 

②デジタル振り返りシートのデメリット

 コメントを書いたりする作業自体は、紙の方が早いような気もします。また校務用PCのスペックや通信回線状況によっては、作業効率が下がる可能性もあります。

 

 また、児童のタイピングスキルが必要になってくるので、タイピングの苦手な児童には音声入力やかな入力も許容するなどの対応が必要になってくると思います。

 

おわりに

以上、今回はデジタル振り返りシートについてまとめました。

少しでも先生方の参考になる情報があれば幸いです。

小学校英語専科になるみなさんへ2021② ~4月の授業スタートまでにしたいこと~

 2020年度から小学校で新学習指導要領がスタートし、教科化されました。それにともない、2020年度から全国で3000人の専科教員が配置されることになり、2021年度も同様の予算が組まれています。国の加配以外(校内人事や自治体で予算)で英語専科教員をつけるケースも加えると、もっと多くなるかと思います。 

 

 そこで、この記事では、2年間英語専科をやってきた僕から、新しく小学校英語専科になるみなさんに伝えたいことを書きたいと思います。

 

 

 前回の記事では、英語専科の先生方がぶつかりうる「所属感」をテーマに記事を書きました。


nin.hatenadiary.jp

 

 2回目となる今回は、4月の授業開始までにしておくとよいことについて書いていきます。下の画像はそれらをまとめたものですが、一つ一つについてもう少し詳しく見ていきましょう。

 

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教務主任と時間割や打ち合わせ時間、年間計画などについて確認

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まずは詳しい時間割や年間計画の情報を各学校から聞いておきましょう。

時間割については、スタートするとなかなか変更ができないので、不都合を感じる場合は、できるだけ早いタイミングで伝えた方がよいです。

要望を出すものとしては、例えば次のようなものが考えられます。

  ・複数クラスある場合は、学年が続いていた方がやりやすい

  ・授業準備の時間は1時間目にあると印刷などの準備ができてよい

ただ、時間割は、他にも制約がたくさんあるので要望しても無理な場合も多いです。 

 

ALT(またはJTE)との打ち合わせ

 初めての授業の時に、ALTと「はじめまして」では、大変です。

 授業前に一度はALTと打ち合わせの時間をとりましょう。

 打ち合わせる内容としては、

  ・打ち合わせ時間の確認

  ・学校の決まりごとの確認

  ・授業の役割分担

  ・最初の授業の流れの確認

といったことがあげられます。

 

各学校の備品やICT環境などの確認

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  これはできるだけ早く確認しておいてください。大型TVの有無やピクチャーカードの有無などによって、用意しなければならないものや購入しなければならないものが変わってきます。また、外国語教材の置き場所を確認しておくという意味でも必要な作業です。

 特に、兼務する学校がある場合には、授業開始前に一度は学校を訪れて確認しておくとよいと思います。

 

担当学年の予算に英語の授業で必要なものを入れてもらう

 学年費で購入すべきもの(基本的には児童一人一人に還るもの)があれば、各学年の予算案に組み入れてもらいます。年度の途中で「あっ、これがほしい!」と思っても、お金がなければ購入はできませんので、これは確実に。

 購入するものとして考えられるのは、、、

  • フラットファイル(プリントなどを綴じる用)
  • アルファベットワーク
  • 業者テスト
  • 英語のノート
  • シール

などが考えられます。例としてこれらのものを上げましたが、購入したら最後まで使用しなければなりませんので、慎重に検討してください。ちなみに、僕の場合は、『フラットファイル』『教科書準拠のアルファベットワーク』のみ予算案に入れてもらいました。

 

消耗品で購入してほしいものを事務に相談

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 文房具などの消耗品については、事務に相談して買ってもらいましょう。

  •  ラミネートフィルム 
  •  目玉クリップ
  •  マグネット
  •  カード入れる用の袋
  •  教材整理用のケース

 などが購入するものとしては考えられます。

 

備品で購入してもらいたいものを事務に相談

 学年費は子ども一人一人が使用するものですが、こちらは学校の備品として購入したいものです。備品で購入するものについては、予算が通ってから執行できるようになるので、購入までには少し時間がかかると思っておいた方がよいです。

  • ピクチャーカード
  • 掛図
  • 四線黒板

などが購入するものとして考えられます。

 

個人購入しておいた方がよいものの準備

 学校や保護者に購入してもらうものではない個人で所有するもので、必要なものがあれば自分で買いましょう。

  • 教材などを運ぶためのカゴ
  • 〇つけ用の赤ペン
  • スタンプ

などが購入するものとして考えられます。

 

教務必携やExcelなどに1学期の授業スケジュールを入れておく

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 英語専科は、特に兼務をしていると、非常に時間割が複雑になるので、「どの学校で」「どのUnitを」「いつやるか」がわかるようにしておくとよいです。僕の場合は、最初は教務必携に書いていたのですが、最終的には全体をより見通すことのできるExcelを使って管理するようになりました(上写真)。

 この際、各学校の年間行事計画を見て、授業がつぶれる日などをはっきりさせておくとよいです。

 

担当学年の英語の授業のUnit1の単元計画の作成

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 僕は、どの学年のどの単元であっても、その単元に入る前に単元計画をつくることを基本としています。これは①自分自身が単元のはじめと終わりをイメージして、見通しを持って指導ができる、②日本人の英語支援員さんとの打ち合わせに使用できる、③日付とクラスを記入しておけばそれぞれのクラスの進度を把握できるといったよさがあります。とりあえずUnit1の単元計画ができていれば4月は乗り切ることができます。

 0からつくるのは大変なので、指導書なども大いに参考にしましょう

 

Unit1で使うワークシートや絵カードなどの作成・印刷

 授業が固まったら、教材準備に取りかかり印刷できるものはしておきましょう。特に、兼務で専科をやるとなると、まとまった教材準備の時間がとれません。ですので、極力印刷できるものは、早めにしておくのが吉です。

 英語教室で授業をやる際には、名札をつくる場合があるかもしれませんので、そのためのテンプレートを作成しておくのもよいでしょう。

 

通知表の記入の仕方について教務主任に確認しておく

 通知表の形式などによって、評価の際の力の入れどころが変わってくるかと思います。高学年は数値評価になりますが、中学年は所見文であることが多いので、毎学期記述するのかどうかなど確認しておくとよいです。もし毎学期所見文を書くとなると、1学期からすこしずつ評価資料を溜めておかないときついです。

 

おわりに

以上、今回は、4月の授業スタートまでにしておきたいことをまとめました。

また、他にもあれば、追記していきます。

小学校英語専科になる皆さんへ2021 ① ~所属感を手に入れる~ 

 2020年度から小学校で新学習指導要領がスタートし、教科化されました。それにともない、2020年度から全国で3000人の専科教員が配置されることになり、2021年度も同様の予算が組まれています。国の加配以外(校内人事や自治体で予算)で英語専科教員をつけるケースも加えると、もっと多くなるかと思います。

  僕自身は2019年度から英語専科教員として働いています。2018年度末に英語専科加配の内示をもらったときには、「どんな風にやればいいんだろう…」「僕で大丈夫かな…」と不安でいっぱいでした。

 そして、英語専科になって1年目の1学期の間は、精神的にも肉体的にもかなりいっぱいいっぱいの日々を過ごしました。実際、何度か体調を崩したり、ストレスチェックの結果はかなり悪かったりしました。

 そこで、この記事では、2年間英語専科をやってきた僕から、新しく小学校英語専科になるみなさんに伝えたいことを書きたいと思います。

 

 今回は『所属感』がテーマです。

 

 あくまで自分の経験をベースに書いているので、それぞれの自治体や状況によって差があるかもしれません。僕自身は現在3校兼務しており、この複数校兼務かどうかという点は大きな違いになるかもしれません。

 

 

所属感を手に入れることの大切さ

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 英語専科をやる先生方にとって、大きな障壁になりうるのが「所属感の欠如」だと思います。

 

 上の図のマズローの5段階欲求でいうと「承認と愛の欲求」が満たされていないということです。そうすると、それより高次な自己承認欲求(自分で自分を認めてあげる)を満たす気にはなれないし、よりよい授業づくりをしようというような自己実現の欲求を満たそうとはならないでしょう。ですので、この「所属感」を得るということは仕事をする上で非常に大事なことなのです。

 

 僕の場合は、3年勤務した前任校を異動して、新しい学校で英語専科になりました。それもあって、なかなか所属感というのを得ることができませんでした。

 

 普通の異動であれば、4月当初であっても仕事の中で色々な職員と仕事をする機会が多くあります。例えば、学級担任であれば一緒に組む学年の先生たちと仕事をする中で、自然とお互いのことを知っていったりすることでしょう。

 

 しかし、専科はたったの一人。しかも僕の場合は、2校兼務で本務校には週に3日しかいません。その中で職員の中で信頼関係を築いていくのには相当時間がかかりました。

 

 また、前年度までは学年主任や研修主任や体育主任など学校運営に大きく携わる分掌を任される中で、自分自身のアイデンティティを確立してきたのですが、この年の分掌は外国語担当のみ。このギャップも、「自分は周りから楽な立場だと思われてるかも」「自分はこの学校に必要ないのかも」と自信を無くさせる要因になっていたと思います。

 

 もう一つは、自分の学級がないという点も所属感を失わせる原因の一つだったと思います。前年度は学級担任として自分のクラスというものがありました。思い返せば、そこでの子どもたちとの関係であったり、居心地のよさであったり、そういったものを一気に失ったことも大きな喪失感として感じる要因となっていたように思います。

 

 こうした理由から、(異動をして兼務をしながら)英語専科をやることは、所属感を失いやすく、また所属感を得るまでには相当の時間がかかる可能性があると考えられます。

どのように対処するか?

①本務校で分掌以外に手伝えることをもつ

 兼務をしていなくて、既に多くの分掌をもっている先生は、その仕事をするだけでも周りの先生方から感謝されると思います。

 

 しかし、僕のようにほとんど分掌がないという状況の場合は、理のない範囲で仕事を引き受けるといいかなと思います。あくまで、無理のない範囲でというのがポイントで、その仕事を引き受けたら残業が増えて教材研究ができなくなったというのでは本末転倒です。

 

 例えば、僕の場合は…

・4月当初の学級事務

・週に一度のHPの更新

・授業参観の前に昇降口の写真掲示の入れ替えをする(年3回)

・行事などの写真撮影

・掃除時間の職員室の掃除

 といったことを引き受けました。また、PC周りのことは多少知識があるので、PCのトラブル相談なども快く引き受けたりしました。

 

 できるだけ、自分の得意なことで、継続して無理なくできる仕事を受けておくとよいかなと思います。

②兼務校では所属感を無理して求めない

 これはもう割り切った考えなのですが、本務校と兼務校、どちらの学校でも所属感を求めていくと、かなり疲れます。しかも、滞在時間の短い兼務校でも所属感をつくっていくことはなかなか難しいなと思います。

 

 そんな場合は、兼務校に所属意識をそこまで求めないという逆転の発想をしてしまうのも一手です。そこに労力を使いすぎることは精神的にもよくないです。僕自身、1学期は本務校でも兼務校でも、同じくらい仕事を手伝ったりしていたのですが、体調を一度崩したことがありました。それからは、所属校では授業を中心とした仕事のみをやろうと決めました。それによって、だいぶ気持ちが楽になったということがありました。

 

 これには賛否があるかもしれませんが、専科に関わらずどんな立場であっても、仕事のウェイトの割り振りをすることは大事です。自分のキャパシティ(時間、体力、精神力)を鑑みて、どの仕事に重きをおいて一年仕事をしていくか割り振っておくことは必要なことだと思います。何はともあれ、体が資本なのです。倒れてしまったら元も子もありません。

誰もが安心感をもって働ける職場づくりを

 ここまで、英語専科としてできることを書いてみましたが、実際には英語専科だけの努力で所属感を得るというのはなかなか難しいというのが正直な所です。

 僕自身は、管理職の先生から「専科はなかなか所属感を得られないことがあると聞くけど、大丈夫か?」と気にかけてもらっていました。こうした声を管理職から声をかけてもらえることはとても大きな安心感がありました。

 英語専科も、学級担任も、支援員も、学校で働くどの職員も単なるコマではなく、学校を支えている大事なヒトなんだとみんなが想いあえる、そういった職場であることが一番大事なんだろうなと感じます。

まとめにかえて

 今回は、特に兼務の専科教員における「所属感の消失」という問題と、それに対する僕なりの対応策をまとめてみました。この記事を書きながら、専科になる前の自分はどうだったのだろうとも考えました。講師の先生であったり、級外の先生にきちんと感謝を伝えていたか?、仲間意識を持って仕事をしていたか?・・・もしかすると十分じゃなかったかもしれないなと思います。

 2つの対応策を書きましたが、一番は周りの先生方からの言葉です。

「今日の英語の授業、子どもたち楽しそうでしたね。」

「いつもありがとうございます。」

 僕なんかは単純なので、こんな一言で1週間がんばろうという気持ちになります。

4月当初は管理職も、担任も、級外も、専科も忙しいのは重々承知ですが、お互いに温かい言葉が出てくるそんな職場であるといいなと思います。