外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
上記の新学習指導要領の外国語科の目標にある「言語活動」を通した単元デザイン手法についてまとめる第2回目。今回は「言語活動を中心としてどのように単元をデザインするか」について。
どのように単元をデザインするのか?
単元をデザインする際には、まずそこで身につけたい資質・能力(単元目標)を考えます。その際には、目標とともに単元終末の言語活動をできるだけ具体的にイメージしましょう。
ここでは、具体的な場面を想定して、できるだけ詳細なやりとりを例を書きだすとよいです。また、その単元終末の言語活動が、前回の記事にお伝えした単なる練習のための指導になっていないか、意味のある情報をやりとりさせているか、子供にとってもっと必要感を高めることはできないかという視点で何度も見直し、よりよいものを考えることが大切です。
こうしていくことで、単元終末の言語活動と単元目標がはっきりしてきます。また、目標がはっきりすれば評価基準についても見えてくるでしょう。
具体的なやりとりを書きだしていくと、この単元で必要な表現や語彙(言語材料)がはっきりしてきます。
言語材料がはっきりすれば、それらを身に着けさせるための活動(練習などのゲームを含む)を考えていくことができます。
そして、あとは導入でどのように単元の学習を見通させるかを考えることで、単元をデザインすることができます。
イメージとしては、単元を通して核となる言語活動を意識し続けて学習を進めるような感じです。自分の場合は、国語でよく言われていた「単元を貫く言語活動」のイメージがピッタリはまります。
このように単元終末の言語活動や単元の終わりで身につけていてほしい力(単元目標)をはっきりさせてから、学習活動や導入を考えていく方法をバックワードデザインといいます。
言語活動は最後だけでいいのか?
ここまで、「単元終末の言語活動」について書いてきましたが、単元最後に言語活動をやればそれ以外の時間はやらなくてもよいというわけではないので気を付けましょう。単元終末には目標に直結する大きな言語活動を設定しますが、単元の最初や中盤であっても、互いの考えや気持ちを伝え合う言語活動ができそうであれば入れていけるとよいと思います。
次回は、今回の単元デザイン方法を実際のテキストで考えると、どうなるのかまとめていきます。