外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
上記の新学習指導要領の外国語科の目標にある「言語活動」を通した単元デザイン手法についてまとめる第3回目。今回は第2回で説明した単元終末の言語活動をイメージした単元デザインの実際がテーマ。
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第2回:小学校外国語活動の授業づくり②【単元終末の言語活動をイメージする】
テキストを使ってどうやって単元をデザインしていくの?
今回は、Let's Try2のUnit5を例に考えてみます。
単元目標を指導書や指導案例で確認した後に、テキストを見ると思いますが、この時には、どんな単元終末の言語活動が位置づけられているのかを確認します。ここでは、最後の「Activity」の部分が言語活動と考えられます。すなわち、「文房具セットを作って、友達へ贈ろう。」です。
単元終末の言語活動が決まったら、内容を詳述していきます。文部科学省の指導案例の中に詳しいスクリプトが書かれているので、参考にするとよいでしょう。
さて、大事なのはここで立ち止まることです。この言語活動が本当に最善なのか、もっと子供にとって必要感の高いものに変えられないか、他者意識をもっと持たせられないか、目的場面状況をもっとはっきりさせられないか、よーく考えます。
例えば、勝手に文房具セットを作るのでは単なる自己満足ですので、贈りたい相手へのインタビュー活動を入れるということが考えられるかもしれません。先生達からこんな文房具セットが欲しいという要望書をもらっておくというひと工夫も考えられるかもしれません。
こんなふうに、よーく考えて、アイディアをたくさん出します。その中から目標を達成でき、子供が主体的に取り組め、教師もワクワクする、そんな言語活動がでてくるとすてきだなと思います。
言語活動が決まれば、あとは逆算で、必要な言語材料(文房具の語彙、Do you have~?、I have~. など)も決まってきます。さらには、そのためのゲームなどの学習活動を決めて、見通しを持たせるための導入を考えていきます。(上図)
実際にはA4一枚くらいの単元計画を作成しておくと、教師側も単元の見通しが持てていいです。
さて、では、すべての単元で今回紹介したようにテキストをそのまま使って単元デザインが可能なのでしょうか?私はそうは思いません。もっと色んなパターンがあってしかるべきだと思います。
次回には、単元デザインのその他の方法について紹介します。