E-Lab. 〜小学校英語専科教員のブログ〜

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2019年度から小学校英語専科教員になった先生のブログ。小学校英語やICT教育の実践記事が中心です。

小学校英語の学習評価③ ~単元末言語活動のパフォーマンス評価~

新学習指導要領の実施に伴って、「テストはする必要があるの?」「成績はどうしたらいいの?」といった声をよく聞きます。これまでの外国語活動とは異なり、外国語科になると観点別評価をし、評定をつけなければなりません。おそらく通知表でも同じだと思います。では、外国語科の評価はどうしたらよいのでしょうか?

 

何回かにわけて、小学校英語の学習評価についてまとめていきたいと思います。

 

これまでのテーマ

小学校英語の学習評価① ~評価は何のためにするのか?~

小学校英語の学習評価② ~外国語科の評価は3観点?5領域?~

今回のテーマは「単元終末の言語活動のパフォーマンス評価の具体的な方法」についてです。

 

「パフォーマンス評価」という言葉については、単元終末の言語活動とは別にパフォーマンステスト(パフォーマンス課題)を行って評価することを指すことも多いですが、この記事では単元終末の言語活動における子どものパフォーマンスを評価することを意味しています。

 

【言語活動のパフォーマンス評価はルーブリックを使って】

 私の場合、単元終末の言語活動では、ルーブリック(評価基準表)を使った評価を行います。ルーブリックとは、評価規準で観点ごと示した単元でつけたい力を、どのような子どもの表れが見られれば単元目標を達成したと考えるのか(評価基準)を表に示したものです。

 評価基準と似た言葉として「評価規準」があります。「評価規準」とは観点別学習状況を評価するためのもので、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点ごとに定めます。「知識・技能の観点では、子どもにはこういう力がついてほしいね。」というように、単元目標を観点ごと子どもの姿で具体的に示したものだといえます。

 一方で「評価基準」は観点ごとに定めた評価規準をもとに、どのような姿だったら観点別の目標を達成したかを明示したものです。つまり、「こういう姿だったら目標を達成したといえるね(B評価)」といったより具体的な基準を定めたものです。(例:おすすめの都道府県を紹介しよう。)

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【パフォーマンス評価の実際の例は…】

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 6年生のUNIT4の「理想の夏休みを紹介しよう」という話すこと[発表]の領域の言語活動におけるパフォーマンスを評価する際に、私が実際に使ったルーブリックです。

 私の場合は、最初は3段階で評価していたのですが、もう少し細かく評価したいなという思いがあり、5段階評価にしています。(5:A 3~4:B 1~2:Cというイメージ)

知識・技能の評価基準

 ルーブリックを考える際には、できるだけ具体的に考えておくようにしています。

 「知識・技能」では、これまでに使った表現を用いて話すことができているかを評価します。具体的には、”I went to”, "I ate", "I enjoyed"といった表現を正しく使って思い出を話せているかどうかをみとります。この際、間違いがいくつだったら3点といった具体的に基準をはっきりさせておくとよいと思います。

 一方で、冠詞の”the”や"a"であったり、複数形"s"などについては、指導要領でいう文法事項にあたりますし、母語習得であっても習得が難しいものになりますのでそこの間違いは評価対象としないようにしています。「音声面」についても同様に評価対象とはしませんが、よく意識して言えている子については「ボーナスポイント」として加点するようにしています。つまり、言えないことについて減点はしないが、加点はするというような感じです。

思考・判断・表現の評価基準

 「思考・判断・表現」では、相手に自分のことをしってもらおうと詳しく話せているかどうかを評価しています。相手に自分のことを知ってもらおうとするという目的があるというところがポイントです。ここでも、例示文と同じ4文で話せたら3点、それに加えてさらに自分で文を考えて話せたら4点や5点というように、どの程度までできたらBやAになるのかをはっきりさせておきます。そうすることで、教師側も評価がしやすくなりますし、フィードバックを返される子どもとしても納得感が増します。

 ただし、文の量だけでは評価しきれない部分もあるので、相手に質問をいれながらスピーチするといった表れについては「ボーナスポイント」として加点してあげるのもよいと思います。また、付け加える文の質などもとくによく考えている児童についてはメモ欄にメモしておくとよいでしょう。

主体的に学習に取り組む態度の評価基準

 「主体的に学習に取り組む態度」は評価が難しいですが、スピーチ中のパフォーマンスの様子としては相手に伝えようとしている態度面を中心にみとっています。これも、できるだけどういった点をみとるのかをはっきりさせておくとよいでしょう。ただし、声の大きさなどは人によってちがうので、ここは個人内評価も加味してあげる必要があると思っています。また、振り返りシートなども活用しながら、子どもの内面をみとっていこうとすることも必要でしょう。

 また、「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」は一体的に評価することが言われています。たくさん文章を考えて、相手に伝えようとしている姿も「主体的に学習に取り組む態度」として評価対象に加えることも可能だと思います。

 

【ルーブリックは子どもの自己評価にも活用する】

 「よいスピーチになるように練習しよう」と教師に言われても、子どもたちは何をどう頑張ればいいのかわかりません。このルーブリックを言語活動の準備の際に渡すことで、「Bを目指すために、もうちょっと詳しく話してみよう。」と子ども自身がメタ認知を働かせて、自分の学習を調整することが可能だとかんがえています。

 実際に、今年度Unit1では単元終末の言語活動の子どものパフォーマンスを教師が評価するためにこれを用いていたのですが、Unit2以降では単元中盤でルーブリックを子どもに渡し、子ども自身が目標をたてたり、形成的に自分自身の学習を評価したりするための指標として活用できるようにしました。それにより、「この前は詳しく話せてなかったから、今回はもっと自分のことを伝えられる内容にしたい。」とか「どうしても下を見てしまうから、今回は目線を意識してもっと伝えようとしたい。」といったよりよいパフォーマンスを目指して学習に取り組む子どもが少しずつ増えてきているのを感じています。そういった様子も「主体的に学習に取り組む態度」の「自らの学習を調整しようとする側面」として加点的に評価していこうと考えています。

【まとめ】

今回は主に、単元終末の評価について自分なりにまとめまてみました。とはいっても、ここで書いたことが本当に正しいのかどうかは、まだまだ改善の余地があると思っています。私自身も悩み、試行錯誤しながら毎ユニットの評価を行っています。今後も少しずつブラッシュアップしていければと思っています。