E-Lab. 〜小学校英語専科教員のブログ〜

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2019年度から小学校英語専科教員になった先生のブログ。小学校英語やICT教育の実践記事が中心です。

小学校英語専科1000人増は十分な措置か⁉

 先日、『小学校英語の教員増』というタイトルのニュースが報道されました。

 

headlines.yahoo.co.jp

 今回のブログでは、1000人増という文科省の考えが十分のなのかどうかという点についてまとめていきたいと思います。

 

小学校英語専科が1000人増えると・・・

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 文科省の概算要求時の資料に小学校英語専科指導のための加配定数が1000人増となっており、今回はこの文科省の概算要求が外務省に認められたということです。これにより、よほどのことがない限り、来年度の1000人増は確定と言えるでしょう。

 これまで、H30年度+1000人、H31年度+1000人と専科の人数を増やしてきているので、R2年度+1000人により合計で3000人の小学校英語専科教員が全国に配置されることになります。

 

小学校英語専科が1000人増は妥当な措置か?

f:id:ninnin2222:20191219202826j:plain これは文科省が毎年公表している平成30年度英語教育実施状況調査(小学校)の結果です。

 これを見ると、全国の5・6年生74693学級のうち、専科教員が教えている学級は8329学級でたったの11.2%です。このほか、他クラスの先生であったり、中学校の先生が来て指導をしてくれていたりする学級もありますが、80%以上の学級では担任が指導しているというのが、昨年度までの状態です。来年度はこの調査時からさらに2000人増(H31年度&R2年度分の加配)となるわけですが、それでも多くの学級では担任が教えることとなりそうです。

 

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 次に別の資料から考察してみます。日本全国の公立小学校は19432校(上資料:学校基本調査より)あります。3000人の専科で賄えるのは、たとえ一人が2校を兼務したとしても6000校(実際には兼務していない専科も数多くいるのでこんなに多くはないはずです)。残りの13000校余りはやはり学級担任を中心にやることになりそうです。

 こうして見ていくと、英語専科1000人増では全く十分とはいえないことがわかってきます。

もう一つの問題:小学校英語専科を誰がやるのか?

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 もう一つの問題にも触れておきましょう。それは小学校英語専科教員になれる教員がそんなにいるのか。」という点です。文科省の概算要求資料によると、

①中学校か高校英語免許を所持

②2年以上のALT経験者

③CEFR B2相当の英語力を有する人

④2年以上の英語を使用した海外留学(勤務)経験者

 

のうち、一つでも要件が揃っていれば英語専科教員を任される可能性があります。

 ということは、経験や資格があれば、教員免許を持っていなくても英語専科教員として授業をする可能性があるのです。(その場合、特別免許状が授与される。)これについては、うーんどうなんだろうと思ってしまいます。1000人という人材を確保するためにかなり要件を緩くしている印象を受けます。これまで、「英語専科は小学校の学校文化がわかっている人」と文科省は言っていましたが、それは要件には一切入っていません。

 また、加配の条件として、英語力のある新規採用者を採っている自治体に優先的に加配されるという旨も書かれています。この加配も考えて、英語資格を持っている人を多く採用しようとしている自治体もあるのではないでしょうか。また、英語力のある方が採用された場合、採用後即英語専科というパターンもありそうです。学級経営や授業づくりを知らないまま、新採で英語専科はかなり厳しいのでは?と個人的には思います。

 また、中学校の先生が、小学校の英語専科として異動されている場合も多くあります。これも小学校文化に馴染みのない中学校の先生にとっては苦労されるケースも多くあるようです。

 現在、僕自身、Twitterで多くの英語専科の方が悩んでいることを日々目にしています。そうした現状を考えると、「誰が英語専科をやるのか問題」は単純な人数を増やすということ以上に難しい問題だと感じています。

 

 個人的には「本人が希望しているかどうか」も要件の一つに入れてほしいと思っています。

まとめ

 今回は、文部科学省小学校英語専科教員の増員が十分かどうかということについて、まとめてきました。英語民間試験導入や記述式問題の導入の頓挫など、前途多難な文科省ですが、大きなことをやるのであれば、見通しを持って適切な人材配置やインフラの整備をしてほしいと思います。最後にしわ寄せがくるのは、現場の先生達であり、子どもたちです。