2学期も終盤に差し掛かり、4年生はUnit7“What do you want?”の単元に入っているのではないでしょうか。この単元では、テキストを見ても、パフェづくりや、ピザづくりなど、子どもたちにとっても魅力的な題材が用意されています。
今回は、実際に僕自身の単元構想や具体的な活動アイディアについて紹介します。
- 最終的な言語活動「〇〇先生におすすめPizzaを届けよう‼」
- 第1時:Pizzaの写真で導入
- 第2時 『ピザの材料を集めるための表現に慣れ親しもう。』
- 第3時『 どんな質問を先生達に聞けばいいかな。 』
- 第4時 『〇〇先生におすすめピザを考えよう。』
- 終わりに
最終的な言語活動「〇〇先生におすすめPizzaを届けよう‼」
この単元の言語材料は、
What do you want?
I want ~.
野菜の単語
フルーツの単語
となっていて、テキストでは「パフェづくり」と「Pizzaづくり」の2つの言語活動が用意されていて、2回の活動を通して表現に慣れ親しんでいく構成になっています。
しかし、2回活動させるとなると、どうしても十分に表現に慣れ親しむことができずに言語活動に突入してしまい、「うまく言えなかった」という思いを持たせることにもつながりそうです。
そこで、単元の最後にPizzaセット(Pizza+デザート)づくりを置くことで、十分に表現に慣れ親しんだ後に言語活動に取り組ませることができると考えました。また、贈る相手をはっきりさせることで、相手意識を持たせたいと考え、「〇〇先生におすすめPizzaを届けよう‼」を言語活動に設定しました。
第1時:Pizzaの写真で導入
第1時ではピザの写真を見せ、トッピングになにがのっているか?やなんのトッピングが好きか?など、ピザのトッピングについてSmallTalkをします。
T: Do you like pizza? I like pizza very much. (ピザの写真を見せる)
S: おー、おいしそう。
T: Look at this pizza. The topping is a slice of salami, tomatoes, and cheese.
(次のピザの写真を見せる)
T: What is the topping of this pizza?
S: corn.
T: That’s right! It’s corn. Anyone else?
S: It’s Bacon?
T: That’s right! It’s Bacon. ・・・・
このようなSmall Talkを行った後に、単元終末の言語活動「〇〇先生におすすめのピザセットを届けよう。」について説明し、下記のような単元の見通しを持たせます。
①具材の英語を知る
②先生にインタビューする(注文を受ける)
③具材を集める(仕入れる)
④もりつけて届ける
その上で、野菜や果物の単語に慣れ親しむためにミッシングゲームやキーワードゲームのような聞き慣れを中心としたゲームを行っていきます。
第2時 『ピザの材料を集めるための表現に慣れ親しもう。』
第1時では食材の英語での言い方を、聞くことを中心に慣れ親しみました。第2時では、食材とWhat do you want?のやりとりについて、話すことを中心に慣れ親しんでいきます。そのために、第3時では、材料集めのための表現に慣れ親しむための活動「何の料理を作るつもりでしょうかクイズ」を行いました。このクイズは、4人グループ(またはペア)で順番にミニカードを引き、材料から何の料理を作っているか当てるゲームです。
まず、全員に答えとなる料理一覧を配ります。
そして、客役とお店役にわかれて、客役が料理と食材が描かれているミニカードを引き料理を作るための材料を買います。
やりとりの例は以下の通りです。
【D(客)がカードを引いて、A~C(お店)が解答者の場合】
A&B&C: What do you want?
D : I want potatoes.
(このやりとりを3食材分続ける)
D : What is this menu?
A : It’s curry and rice.
D : That’s right!
第3時『 どんな質問を先生達に聞けばいいかな。 』
第3時終了後~第4時までの間に、子どもたちにはおすすめのピザをつくってあげたい先生のもとにいき、ピザとデザートのセットをつくるために必要な情報を英語でインタビューしてくるように伝えました。そのため、第3時では、どんな表現を使ってインタビューをしてきたらよいかを考えました。子どもたちと考えた具体的な表現は以下の通りです。
① ”Excuse me. May I ask you some questions?”
② ”What toppings do you like?” "What fruits do you like?"
③ ”Thank you.”
トッピングの種類については、制約を全くかけないと広がりすぎてしまうので、基本的には教師の用意したメニュー表の中から選んでもらえるようにしました。が、オリジナルで1つ食材を増やしてもよいこととし、メニューの中にそのためのスペースを作りました。
第4時 『〇〇先生におすすめピザを考えよう。』
第4時までに子どもたちは先生たちにインタビューを終えてきているので、ここではその結果をもとに食材を集める活動がメインになります。
具体的には、お店屋さん役とお客さん役に分かれます。お店屋さん役には具材カードを4種類ほど渡しておき、お客さん役はこれまで慣れ親しんだ表現を使って、必要な具材を集めていきます。
A: Hello. What do you want?
B: I want green peppers.
A: How many?
B: 4, please.
A: Here you are.
B: Thank you.
必要な具材が集まったら、ワークシートに貼ります。次の授業までにおすすめのピザを作った先生のところに行って、ピザを紹介し、サインやコメントを書いてもらいます。
終わりに
この実践では、単に自分の好きなピザを作るのではなく、学校の先生のためにピザをつくるという言語活動を設定することで「相手意識」を持たせたり、「目的・状況・場面」をより具体的にしたりしています。それにより必要感を子供自身が感じ、主体的に学習に取り組んでいけるようになります。
外国語活動では、この「単元終末の言語活動」をどのように設定するかが単元デザインの中でとても大切です。どの単元であっても、「これなら子どもも、自分もワクワクして取り組めそうだぞ」という言語活動を考えて取り組めるといいと思います。
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