E-Lab. 〜小学校英語専科教員のブログ〜

E-Lab. 〜元小学校英語専科教員のブログ〜

2019年度から3年間小学校英語専科教員だった先生のブログ。小学校英語やICT教育の実践記事が中心です。

小学校英語のClassroom English④【教師の英語の使用割合を高めるには?】

  小学校英語の教科化を来年に控えて、現場の先生方からは「英語が喋れなくて不安です」という声を多く聞きます。自治体主催で英会話の研修を行っているというニュースもたびたび目にします。しかし、そもそも、小学校では担任は英語を使って進めなければならないのでしょうか。

 4回目の今回は、ちょっと視点を変えて、「英語の使用割合を高める方法」について考えたいと思います。

英語の使用割合とは?

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 今回のテーマであるClassroom Englishにおける英語の使用割合というのは、教師の英語での発話量÷授業全体の教師の発話量ということになります。授業全体の教師の発話量をさらに細かく言うと、(日本語での発話)+(英語での発話)ともいえるでしょう。

 そして、その英語の使用割合を高めていくことが、学級の英語を使おうとする雰囲気づくりにつながると考えられます。

 では、この「英語の使用割合」を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

 

英語の使用割合を高める2つの方法

 英語の使用割合を高める方法は大きく分けて2つです。 

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 1つ目は当然ですが、英語での発話量を増やしていくことです。つまりClassroom Englishをできるだけたくさん使っていくということです。これについては前回の記事で触れました。しかし、あまりにも全て英語で話そうとすると、複雑な説明も英語で話そうとしてしまい、逆効果(つまり子どもが英語を聞こうとしなくなる)可能性もあります。

 そのため、2つ目の視点として、日本語での発話を減らすという視点も有効だと僕は考えています。

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 簡単に言えば、「無駄な日本語の説明を減らす」ということです。案外、日本語で長々と説明しても、子どもは理解できないものです。(まして英語で説明された日には、子どもはもっと上の空でしょう。)

日本語の説明を減らすための方法とは?

 では無駄な日本語の説明を減らすためにはどうしたらよいのでしょうか。

デモンストレーションの活用

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 一つの方法はデモンストレーションを効果的に活用するということです。「説明」ではなく「実演」を通して、子どもたちに理解を促すのです。この際、時間配分にもよりますが、何度か形を変えてデモンストレーションをするとよいです。

 ①教師とALT→②教師と児童→③児童同士と徐々に子ども側にバトンを受け渡しながらデモンストレーションを見せていくと複雑なやりとりやルールであっても子どもたちは理解できるものです。もちろん、デモンストレーションのボランティアをやってくれた子どもたちにた対して、先生は支援をするのはもちろんですが、デモンストレーション後にクラス全体で価値づけてあげるとよいと思います。

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 また、グループで活動させたい場合は、1グループの周りに集めて、実際にゲームなどの活動をやらせてみるのが効果的です。まさに百聞は一見にしかずです。

ゲームをやる際に気を付けること

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 また、活動やゲーム自体のルールも気を付ける必要があります。複雑なルールは理解させるのにも時間はかかりますし、デモンストレーションを見せるのも大変です。できるだけ、シンプルなルールのものの方が外国語活動には向いていると感じます。

 さらに、同じゲームや似たようなゲームをやると、2回目以降は説明がほとんどなくても子どもたちはやることができます。教師があまりにも子供を楽しませようとするあまり、毎回違うゲームを考えたくなることもありますが、その工夫が逆に分かりにくさを生んでしまうことがあるということも考慮に入れるべきだと思います。

 

さて、今回まで、教師の使うClassroom Englishについてまとめてきました。次回は、子どもの使うClassroom Englishについて少し書きたいと思います。