小学校英語の教科化を来年に控えて、現場の先生方からは「英語が喋れなくて不安です」という声を多く聞きます。自治体主催で英会話の研修を行っているというニュースもたびたび目にします。しかし、そもそも、小学校では担任は英語を使って進めなければならないのでしょうか。
そんなわけで、今回から3回ほどの記事で、「Classroom English」についての記事をまとめていきたいと思います。
小学校でもAll Englishで授業をしなくちゃいけないの?
小学校でもALL English(英語で授業を進めること)をしなければならないのでしょうか。答えとしては、小学校ではALL Englishの授業はしなくてもよいです。次の画像を見てください。
中学校の新学習指導要領には、「授業は英語で行うことを基本とする」ということがはっきり明記してあります。ですので、中学校においては新学習指導要領がスタートする2021年度からは基本的に授業ではAll Englishが求められます。
一方で、小学校の新学習指導要領では、指導計画の取り扱いにこのような記述は一切ありません。よって、小学校ではAll Englishの授業を無理して目指さなくてもよいということになります。
All Japaneseで進めてもいいの?
では、All Japanese(すべて日本語)で授業を進めてもいいのでしょうか?
これについては、文部科学省発行の「小学校外国語活動・外国語ガイドブック」で次のように書かれています。
クラスルームイングリッシュについては、「授業中の指示や質問にできるだけ英語を使うように努力したいものである」と示されており、All Englishとはいかなくても指示などの簡単な表現については英語を使うことが望まれていると考えられます。
実際に自治体の研修にいくと、Classroom Englishの研修があったり、指導主事訪問などの際には教師の使うClassroom Englishについて助言をもらうこともあり、簡単な表現については英語を使う努力をしていくことは必要でしょう。
ただし、「全部英語で言わなきゃ」と自分を追い込んだり、「あっ、日本語で言っちゃった」と自分を責める必要はありません。あくまで努力目標程度に捉えた方がよいでしょう。でないと、外国語の授業をするのが嫌になっちゃいますよね。
また、英語の指示などはALTにお願いをして、担任は補足説明をするなどの役割分担をすることもよいと思います。
さて、次回は、どうしてClassroom Englishを使うといいのか、その理由についてまとめていきます。